甘柿か渋柿か
秋においしい実をつける柿ですが、ある農家の方によれば、甘柿の木は ニ〜三年経つと渋柿になるといいます。
ところがその渋柿を焼酎に漬けると、渋みが多ければ多いほど甘くなるのです。
ですから、渋みはどんどん増していってよい、ということになります。
そのほうが 大きく甘くなる可能性がある。
「一木一草みな理(ことわり)あり」
という言葉が朱子学の中にあります。
万物の法則は植物や木などあらゆるものに宿っているという意味ですが、人生にも同じことがいえそうです。
大病をした人ほど人生を深く悟ることができる。
一般的にいう、つらいこと、悲しいこと、大変なことを経験したからこそ、私たちは味わいのある実をつけることができるのではないでしょうか。
そうしてみると、世の中でいう「幸」「不幸」とはその人その人が感じるだけの裏表であり、絶対的なものではないのです。
「喜ばれる 自分も周りも共に幸せ」
柿が渋ければ渋いほど、より甘味が増すように、人生も大変な経験をするほど味わいのある実をつけることができます。あなたの"柿"はいかが。(F.F.)